著者・村瀬英晃氏と個性豊かな社会人で行っている勉強会、学生時代の恩師とのやりとりから生まれた自由な発想やアイデアで問題解決に繋げる水平思考について連載形式で紹介します。

第2章 地球温暖化に関して

■鳩山イニシアチブ

「救世主 原発推進 座礁して 目標撤回 計画白紙に」

地球温暖化防止の話に入る前に、当時の総理大臣の鳩山由紀夫氏が、2009年9月に提唱した「鳩山イニシアチブ」構想を振り返っておくとよいだろう。その要旨をWikipedia等で確認したところ、日本国を含む先進国が官民からの多額の資金で排出削減に貢献するという構想で、特に先進国からの資金援助による途上国の排出削減は、測定・報告・検証可能な形での国際ルールを策定することによって、排出削減のための途上国への資金援助の透明性・実効性確保のため、必要な国際システムを構築するといった内容である。

その中身は、「1990年比25%削減」の場合の試算家計負担額は、最初13万から76.5万円(その後、麻生政権で試算しなおし、22万から77万円に)で、2010年から2012年までの3年間で、途上国の地球温暖化対策を支援する資金総額1兆7500億円を用意するといったシナリオだった。しかし、日本は2011年に福島第一原子力発電所の事故が起きて、二酸化炭素の排出を抑制する原子力発電所の推進が困難になったため、翌年の2012年に25%削減方針を撤回した。結果、今では当時の「鳩山イニシアチブ」演説は語られることはないようだ。