発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために
“「発達障がい」は治療ができない難病ではありません。具体的な向き合い方、どうすれば症状は良くなるのかといった筋道はあります。早期発見・早期介入が求められるのは、治療が早ければ早いほど症状に改善がみられるからです。”医療現場の実情、最新の診断・治療法を専門の小児科医が解説していきます。
子どもの多くはサーカディアンリズムが崩れている
このREM睡眠とNREM睡眠が周期的に訪れるようにするためには、サーカディアンリズムを守ることが大切です。サーカは「およそ」、ディアンは「1日」という意味のラテン語で、「概日リズム」という意味です。
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サーカディアンリズムとは「睡眠・覚醒リズム」のことです。このリズムに大きく関わってくるのが、メラトニンという催眠・生体リズムの調節作用のあるホルモンです。このホルモンは眠くなると、脳の松果体というところから分泌されます。睡魔の元となるホルモンです。
時差ボケを予防するのにパイロットやスチュワーデスなどは、メラトニンサプリメントを服用して時差を調節することがありますし、睡眠障がいの患者さんが服用することもあります。朝起きた時に外の光を浴びることで、視交叉上核にある体内時計のスイッチがリセットされ、15時間後にはメラトニンにより睡魔が襲ってくるというリズムが我々人間には備わっています。
しかし、目に光が入ることでメラトニンは抑制されます。人間は光を浴びて睡魔から逃れているのです。夜、眠かったはずなのに、テレビを見ていたら眠れなくなるという経験は、テレビの光によって、メラトニンが抑制されるために起こるものなのです。