「おれが入ったからには、ぜったいにゆうしょうしてみせる!」
強気のレオは、すぐにスタメンにえらばれました。
六番、ショートです。
でも今年(ことし)の夏休み、となり町との戦いで、チームはあっさりまけてしまいました。レオが、エラーをしてしまったのです。
「となり町のやつらにまけるなんて、チームはじまっていらいだよ」
「おまえ、口ばっかりだな!」
「おまえのせいで、おれたちのどりょくが、水のあわだ」
レオは、チームのみんなから、せめ立てられてしまいました。
『おれだって、かつためにがんばってきたのに…。いろんなこと、がまんしてきたのに…』
レオは、こころの中でくりかえしながら、しょんぼり家に帰りました。
するとお父さんが、げんかんでうでぐみをして、まっていました。
「弱いから、まけたんだ。言いわけをするな!」
お父さんはひとことも、やさしいことばをかけてくれませんでした。
「まけたら、そこで終わりだ。けっかが、すべてだ」
そのしゅんかん、レオのこころのとびらは、バタンと音を立ててとじてしまったのです。