俳句・短歌 短歌 自由律 2021.01.16 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第25回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 色褪せし 花野に 病むは 老いたる羊 高原の 春 寒ければ 馬よ眠れ 月があやつる 暗き 影絵の 老いたる父よ
エッセイ 『ALSなんか怖くない』 【第31回】 堀内 昌子 筋力が加速的に降下するALS。「今さらリハビリなんて」と思われるかも…それでも、一日に半歩でも筋力退化を遅らせようと必死で… 在宅でのリハビリの先生方も、筋力低下の食い止め、尖足(足の関節が、つま先が伸びた状態で固まり、立ち上がったり歩いたりする際に、踵がつかない)防止の筋力維持その他呼吸器装着のALS患者に対してのリハビリをそれぞれ計画を立て、長いスパンで治療を考えておられましたので、それが継続されることに安心をいたしました。筋力は、加速的に降下の一途を辿るALS患者にとって「今さらリハビリなんて」と思われる方もおら…
小説 『青の中へ』 【第10回】 くんぷう 躁鬱のような母の面倒を見る毎日。大変な日々の中でも身につけたある術とは… 【前回の記事を読む】「ああ、モルヒネの影響かもしれませんね」え?そんな話は聞いてない――どんどん痩せていく父。たまに妙なことも言うようになり…紫衣のスーツケースの中にメモ用紙が入れられていた。紫衣へ僕の名前は南部真亜です。君が許すことができないという人、きっとそれは僕の父親です。僕は君と君のお父さんになんて言って謝ればいいかわからない。僕の愛した人が僕の親のせいで深い悲しみの中にいる。なんて言っ…