鍵を開け、TENCHIのいる隣の部屋に行こうとするシマ。
「用…あ、あの、黒い鞄の件ですね、私も早く開けて中身を見たい。聞きましたよ、アメリカに勝てるかもしれない秘密兵器ですね!」
アツシはあどけない少年の瞳めを輝かせる。
「戦争に勝者はいない、あるのは敗者だけ…」
眼を赤く光らせながらゆっくりとTENCHIが呟いた。
「バカ、鞄の事は極秘事項だぞ」
シマは振り向き、アツシを叱責した。
「日本…太平洋戦争」
自身の頭脳に読み込むようにTENCHIが再び呟く。
「とにかく修理だ、TENCHI、お前分かるか」
シマはTENCHIに訊く。
TENCHIは赤い目を点滅させながら、基地内中のありったけ持って来た工具類を見て云った。
「工具確認…かなり旧式ですが設計図通りやってくれたら…もしかして…」
「こいつ、敵ではなさそうだな。使える…賭けてみるか…」
シマはTENCHIを見つめゆっくりと呟いた。