酷暑とモンスーン

最高気温50度

インドは大陸と言われるだけに、ヒマラヤ山脈に近い北の山岳地帯から南の熱帯地方まである。大都市でも内陸のデリー近郊は砂漠の気候に近く、4~5月の真夏時には気温が50度近くになるが、1月の冬には氷点下になることもある。

一方、南のチェンナイ(マドラス)では年間で最低気温が25度を下回ることがない。コルカタ(カルカッタ)は中間で夏場は最高45度前後、冬場の最低気温が10度前後。

ただし、他の大都市より湿度は高く、乾季の一時期を除き70~95%あるし、12~1月の冬場(乾季)から数週間で3~5月の酷暑季になるから生活は大変だ。夏場のコルカタは東京の真夏日の気温以上で梅雨の湿度が同時にくると思えば想像がつくだろう。地元のベンガル人には悪いが、インド人でもコルカタへ転勤したくないと言う人がほとんどだった。

インドのヘソと言われ、デカン高原の中ほどにある都市ナグプールには何度も出張したが、夏場の数カ月は毎日50度近くになり息が苦しい。インド人は口にタオルやハンカチを巻いて熱気を避けている。

市内でバイクに乗っている女性を見ると、薄いショールを頭から巻いて口も覆っている。サングラスをしていて、ちょうど白いショールを頭から首に巻き、着ているのが白いパンジャビ(パンツにワンピース)なので、まるで昔TVで見た月光仮面のようだった。

毎年起こる洪水

インド洋で発生する熱帯性低気圧はサイクロンといって台風と同じで、猛烈な雨風を伴う。6~9月のモンスーンの時期に多く発生し、各地域に大きな被害を与える。