インドは一筋縄ではいかない
行きたくない病院
筆者がウィルス性熱に罹ったとき、高熱が下がらないのでやむなくインドの医者に診てもらうことにした。
私立病院に勤務していて日本人を何度か診ている医者を知っていたので問い合わせると、毎日午前中はアジア緊急医療機関のような団体の診療所で勤務していると言う。私立病院は混んでいるし、他の病気を移される恐れがあるので、これ幸いとその診療所に行く。
出張所は市内中心部にあったが、日本の村にある出張診療所のようなもので、診察室と事務室しかない。事務室・診察室の衛生状態は小さい会社の事務所と同じレベルで、これなら自分の会社のほうが衛生的と思われた。
医者に症状を説明すると、ウィルス性熱だろうがマラリアや他の病気の可能性もあるので血液検査をするとのこと。先ずは検温。
いきなり体温計を口に突っ込まれ、ゲッゲッと思ったが、消毒薬の味がしたのでこれは大丈夫だろうと思い直す。ところが検温が終わったら、体温計を消毒薬の入ったビーカーに入れるだけ。やはり他人が咥えたものをそのまま同じ液に浸けるだけで使用しているようだ。
続いて血液検査をされたが、注射器は袋から取り出したのでこれは安心。インドでは注射器を何度も使うので他の病気に感染すると聞いており、診察のときには多くの日本人が使い捨ての注射器を持ち込んでいるが、このときには密封されていた注射器を使っていた。