まえがき
あなたはインドについてどの程度知っていますか。公式のデータでは、2000年現在で
国土 329万平方キロメートル、日本の約9倍
人口 公称約10億人実数11億人以上とも言われ、日本の約9倍
所得 1人当たり460ドル日本3万8536ドルの80分の1
但し、約3割といわれる貧困層を除くと1000ドル程度
(2019年には、人口約13億人、1人当たり2000ドルとされているが、後述する通り不確か)
となっているが、インドに行ったことがない日本人には実態は欧米より分かりにくいだろう。
その意味でインドは遠い国と言えるが、実際には日本との関係は歴史的に見るとかなり近い。ちょっと思いつくだけでも日本とインドとの歴史的な関係は結構ある。
・日本人のルーツはインドとネパールとの間だとの説が有力。
・インドは仏教発祥の地。
・第二次大戦中、インド独立の運動家チャンドラ・ボースを日本が支援。
・第二次大戦後の東京裁判でインド人判事のみ日本人戦犯を擁護。
・戦後最初に日本を承認し、元首が訪日したのがインド。
インド人の多くは、日本が独立を支援したことや、アジアで成功した国として、日本人に対して親近感を持っている。インドは中国と国境紛争があり、対立していることの反動もあり、今でも日本に好意的だ。本来ならインドは韓国・中国についで近い国と言えるが、顔立ちや肌の色の違いもあり、現実の認識ではとても近い国とは言い難い。
70代以上(2019年現在)の日本人は、インド人というとターバンを巻いた人を思い浮かべる人が多いだろう。これは昭和20年代に日本で活躍したインド人レスラーや、報道写真などで見るインドの兵士・ガードマンがターバンを巻いているからだろう。しかし、彼らは体格が立派で兵士になる人が多いシーク教徒であり、インド人全体の2%程度しかいない。