第5章 社会人に求められる能力とは

創造力の学び方

思考力のもうひとつの要素、創造力について考えてみましょう。

創造力のある人は行動力のある数少ない人に比べ、さらに少なくなってしまいます。12項目ある社会人基礎能力のうち最も難しいテーマといえるでしょう。私の経験上、アイデア会議、創造会議を行っても、価値あるアイデアが出ることはほとんどありません。

経済情勢が激変する中、商品のプロダクトサイクルはどんどん短くなっており、新しいものを生み出す力がとりわけ重要な要素となっています。また、ものづくりの時代からものを考えることに喜びを感じる時代へと移行していることを考えると、社員の創造力の開発がなおさら大きなテーマとなっていきます。

世界中で創造的社会が成長している。(中略)企業が本当にしなければならないのは、他の人びとがその新しさに気づく前に、そのようなアイデアを見つけることだ。そのためには、戦略的先読み力(strategic foresight)と呼ばれるケイパビリティ(能力)が必要である。このケイパビリティはめったに見られないものだが、過去数十年の間に偉大な事業のアイデアを打ち出したリーダーたち、ビジョンを描く能力とカリスマ性を持つリーダーたちは、必ずこのケイパビリティを備えていた。(フィリップ・コトラー)※34、35