第2章 医師は認知症をどのように診断するのか?

画像診断

画像診断には、CT、MRIなど脳の形を調べる「形態画像診断」と、SPECT、PETなどによる脳の機能を調べる「機能画像診断」の2種類があります。

◎形態画像診断のためのCTとMRI

CTとMRIは既に多くの人に知られた画像診断法で、どちらもコンピュータを用いた断層撮影ですが、CTはX線を用いるのに対しMRIは磁石を用います。CT、MRIによる形態画像診断では、脳の萎縮、脳梗塞・脳出血、脳腫瘍、水頭症、慢性硬膜下血腫などの有無を調べます。

[図1]正常対照(左)とアルツハイマー型認知症(右)のMRI冠状断像
アルツハイマー型認知症では、脳の全般的萎縮と海馬(矢印部分)の萎縮(脳溝拡大、脳室拡大、側脳室下角拡大など)が著明である。連載第11回で示したものは水平断で、ここでは冠状断を示した