第3章 前に踏み出す力(主体性、働きかけ力、実行力)を育てる

おもちゃの遊び方を教えない

遊び方に間違いはない、自分で考えて遊んだ方が楽しい

おもちゃを買ってくると、まず、取扱説明書を見て使い方を確認する。これは、電気製品なども含めて考えると、とても正しいやり方です。子どもが間違った使い方をしていると、つい、「これは、こうやって…」と教えてはいませんか?

おもちゃの目的は、その機能を使いこなすことではなく、楽しく遊ぶことです。もちろん、それで壊してしまったらせっかくのおもちゃが台無しですが、落としたり叩きつけたりしなければ、子ども用おもちゃはそう簡単には壊れないように設計されています。

例えば、立体パズルで積み木をしたり、ブロックを電車に見立てて連結して遊んだり、おもちゃの木琴(もっきん)のマレット(ばち)がどこの隙間に刺さるか試したり、いろいろな遊び方があるからこそ面白いのです。子どもは想像もしない使い方をします。その中で、多くの発見が出てきます。

大きなものに小さなものを積んだ方が積みやすい、小さな穴にはマレットが入らない、などです。それを大人があっさり教えてしまったら楽しみは半減です。自分で考えて遊ぶことに価値があるのです。

よく、積み木を積みあげるよりも壊すことを楽しむ子どもがいます。遊びの興味はお子さんによって異なるので、遊び方を否定せず、満足感を持たせてあげてください。規制がかかると子どもは委縮してしまい、発想力の芽を摘んでしまいかねません。

近年、仕事の効率化が謳われ、無駄を省く傾向が増えてきていると思います。無駄にこそ発見があるということを意識するといいかもしれませんね。

ここがポイント
大人は過去の経験から多くのことを習得してきましたが、かえって経験により思考の幅が狭くなったり、考え方が古かったりすることがあります。危険でない限り、子どものやり方を見守るようにするといいと思います。