第2章 子どもの能力を伸ばす方法
悩みごとを解決してあげる必要はない
子どもは話を聞いてもらいたいもの、親の意見を押し付けない
子育てには、いろいろなノウハウが必要ですが、最も大切なことは親子の信頼関係です。信頼関係の構築には、話を聞いてあげることが有効であるということは、多くの本に記載されている通りです。
子どもも多くの悩みを抱えながら生活しています。その、モヤモヤした感情を聞いてあげ、抱き込んであげることが重要です。しかし、良い親になろうとするあまり、悩みを解決しようとすることで、かえってモヤモヤを増幅させてしまうことがあるのです。
もちろん、子どもにとって適切な回答であれば一番いいと思いますが、子どもの悩みは大人にはわかりにくいものが多く、少し違うだけで、すっきりしない状態になります。それどころか、頭ごなしに意に反した結論を伝えてしまうと、話をしたこと自体後悔することになりかねません。
特に、小さい子どもは自分が感じたことを発信したい気持ちが強く、答えを求めるより、聞いてもらい、自分で整理してまた考える、という繰り返しが思考力を高め、自己肯定感に繋がっていきます。親は答えを出すことより、思考の手伝いができればそれで十分なのです。
聞いてもらえるととても安心し、また話したくなります。「そうだね」、「大変だったね」、「すごいね」などの言葉で共感してあげると、親子の信頼関係は深まっていきます。
もちろん、反対意見もあるでしょう。その時には、「他に方法はあるかな?」、「違った考えはある?」と問いかけてあげるといいでしょう。話しているうちに整理できることがあるかもしれません。
ここがポイント
子どもとの信頼関係を構築するうえで、親子の会話はとても重要な要素です。しかし、親の意見を押し付けてしまうと、かえって頭の中を整理しきれないものです。聞いてあげることが、自己肯定感を高めていきます。