第3章 前に踏み出す力(主体性、働きかけ力、実行力)を育てる

<習い事は人間関係の幅を広げるチャンス>

数値化しにくい非認知的能力が社会人基礎力を高める

少しでも学校より先のことを学びたいから学習塾に行く、グローバル社会に対応するために英語を学ぶ、これからのプログラミング教育を見据えてプログラミングを勉強する、どれも、無理に始めるのではなく、本人がやりたいということであればとてもいいことだと思います。

習い事であれば、非認知的能力を身に付けられるものをお勧めします。非認知的能力とは、例えば、目標に向かって頑張る力、他の人とうまく関わる力、感情をコントロールする力など簡単には数値化できない内面の力のことです。

生け花、ジャズダンスのような、一見、勉強には役立ちそうもない習い事でも、興味を持って取り組む中で何かを得たり、壁にぶつかって苦労したり、乗り越えて自信を得たりすることがとても大切です。

“好き”、“楽しい”という気持ちの中で努力する姿勢は、必ずどこかで実を結びます。一生懸命取り組むからこそ、どうしてうまくいかないのかを真剣に考え、やり方を変え、他の人と協力することができるのです。

同世代ばかりでない環境であれば、規律性や柔軟性、状況把握力などが身に付きます。まさに、社会人基礎力を高めるにはとてもいい状況といえます。

もちろん、習い事をすることで、時間的制約が生まれるのは事実です。しかし、時間の使い方を考えることは、今後の人生においてとても重要であり、むしろ、集中して物事に取り組む力がつくことも多いようです。

ここがポイント
非認知能力を身に付ける習い事をすることによって、上達するためにすべきことを自ら考えるようになります。うまくいかないこと、失敗した経験も頑張った分だけ大きな財産になるはずです。