第3章 前に踏み出す力(主体性、働きかけ力、実行力)を育てる
<“ひとりでできた”という魔法の言葉が実行力を養う>
ボタンがずれても、“ひとりでできた”で達成感が得られる
2~3歳くらいになると、いろいろなことを自分でやりたがります。しかし、やらせてあげたいとは思いながら、時間がかかったり、やってできなかった時にぐずったりと、任せ切れないのが現実です。
例えば、洋服のボタン留め。ボタンがずれていたり、首の近くが見えにくくてできなかったりします。そんな時は、難しいところはやってあげて、「2つ目のボタンをひとりで留めてみようか?」と、提案してあげましょう。
たった、1つのボタンではあっても、“ひとりでできた”ことに大きな喜びを感じます。
子どもはお手伝いが大好きです。「お洋服を畳みたい。」と言い出した時にどうしますか? 時間があれば一緒にやればいいと思いますが、忙しい時には困りものです。そのような時でも、「すごく助かる、もうちょっとしたら手伝ってね。」と言い、畳みにくいものを先に畳んでしまいましょう。
子どものシャツやパンツを残して、「疲れちゃった。あと、ひとりで全部畳んでくれる?」と言うと、喜んでやってくれます。“ひとりで”、“全部”は子どもにとって何より嬉しい言葉なのです。
“スモールステップ”という言い方がありますが、小さな階段でもその一歩を登れたらそれが達成なのです。仮に手伝ってあげたとしても、「この部分は、ひとりでやったんだよね。」と言ってあげれば、あえてそれを否定したりはしません。ひとりでできたという達成感を積み重ねることが大きな自信に繋がっていくのです。
ここがポイント
ひとりでやらせたくても、とても時間がかかり、任せ切れないことはよくあります。初めから工程すべてを任せず、ステップに分けて“ひとりで全部できた”という体裁をとりましょう。満足が自信に変わります。