第2章 障害のある子どもの理解
量感を養う
数への興味関心をもち数概念が育ってきたら、次は一(いち)十(じゅう)百(ひゃく)千(せん)の位取り、二桁や三桁の数字を読むこと、さらには金銭の理解へつなげていきます。お金は数字として覚えるというより、数量のような価値概念として覚えるものです。
また、時間にしても時計の時間概念、重さの重量概念、1匹、2台、3個などの数助詞の単位がつくと混乱してきます。数量にかかわるいろいろな感覚を十分に養ったうえで、その数字にものとしての意味づけをしていきます。
重さでは、バケツで水や砂利を運びながら、重量の感覚を身につけ、長さでは、ロープやグラウンドでのランニングなどをとおして、具体的に理解するように努めるのがよいと思います。
たとえば、子どもたちは園の砂場で遊びます。バケツに水をたくさん汲んで砂場へ何回も何回も運んでいきます。砂場は水を浸透するので、なかなか溜まりません。
そのうちに雨樋を見つけて、水道から直接流すことを思いつきます。また、長いホースで届くところまで伸ばしていきます。このように、砂場には学ぶところがたくさんあります。
時間であれば、「朝の会」の始めの時間を10時ちょうどに決めておき、大きなアナログ時計の針を見ながら「あともう少しで朝の会がはじまるよ」「ああ~もうすでに10時を過ぎてしまった、終わった、残念」「12時ちょうどになったらお昼だ。給食のいただきますだよ」などと、日常の具体的な行動と合わせて、時間概念を獲得させていきます。