「団長、あなたって人は――」

「団長ありがとう。これからも二人でマイを守っていきましょう」

「もちろんです。エリカ」

それをこっそりと聞いていたマイの目から一筋の涙がこぼれた。

次の日、オペラ座でプリマ・ドンナが主演すると聞きつけたエリカは男装して訪れた。エリカは花を携え、帽子を真深にかぶりプリマ・ドンナの楽屋に訪れた。

「マダム!」

エリカは花を差し出し、ひざまずいた。

「まあ素敵なお花! ありがとう」

エリカは楽屋のテーブルの上を見て驚く。なんとエッグがあったからだ。

「何てことをしてるんですかマリア・アンナ! エッグをそばに置いておくなんて!」

「もしかしてエリカ? しつこい子ね。私は大丈夫と言っているでしょう。もう私がエッグを持ち歩いていることはみんな知ってるわ」

「マリア・アンナ! 私がお送りします」

「いいのよ。新しいパトロンが送ってくれるから。子供はさっさと帰って寝なさい」

「マリア・アンナ!」

エリカはしょんぼり楽屋を去っていく。その途中パトロンが現われ、マリア・アンナと二人、オペラ座を出ようとしていた。

エリカを待っていたマイは、パトロンを見て驚く。そして、

「あの人は何?」

「マリア・アンナのパトロンよ」

マイは体を震わせながら、

「あの人はアナスタシア計画の一人です」

「なんですって! マリア・アンナ……!」

マリア・アンナ、パトロンと共に馬車に乗って過ぎ去る。

「大変! 追いかけないと」