【前回の記事を読む】家で苦しそうにしていた愛犬の姿が見えない…「手術をすることになった」と聞かされた私は、自転車を病院まで走らせて……
ぼくらのアム
「きゃーっ!」
ぼくは驚いて、今度は本当に手を離(はな)してしまった。幸い、ショウキはぴょこんと着地(ちゃくち)した。看護師(かんごし)のお姉さんだった。あれっ、動物病院でも看護師さんっていうのかなあ? まあ、いいか。看護師さんは、窓を開けて、
「何か、ご用?」
と聞いた。ぼくは、挨拶(あいさつ)をして、それから、驚いたことを謝(あやま)った。
そして、
「ぼく達、アムが心配で見にきました」
看護師さんはにこっと笑って、
「どうぞ入って。玄関にまわってね」と言ってくれた。
ぼくらはおそるおそる玄関を開けた。さっきのお姉さん看護師さんが立っていた。看護師さんに付いていくと、アムのベッドというか、ケージのところへ出た。アムは寝ていた。
「アム〜、大丈夫?」
ぼくと弟は、アムの頭をそおっとなぜた。アムは起きなかった。
「じゃあ、どうぞごゆっくり」
看護師さんが部屋を出ていくと、アムは片目だけ開けて、ぼくらを見た。にーっと笑ったような気がした。が、看護師さんが入ってくると、また目を閉じて動かなくなった。しばらくアムの側(そば)にいたが、そのまま起きないので、ぼくらは挨拶をして、家に帰った。