【前回の記事を読む】食卓には子どもが食べたい物だけ並んで、家族は二の次…癇癪を起こして暴れ始めれば、「ダメ」の一言さえ親は言えなくなってしまい…
学校とは違うハートフルウェーブの常識
“誤学習”を改める
子どもたちは悪いことをしているなんて思いもしないまま周りを困らせ、自分の主張が通らないことに困惑する。主張が通らないというシチュエーションを知らないので、どうしたら主張が通るのかを考えた結果、表現方法がどんどんアグレッシブになっていく。
思春期までそうやってずっと生きてきてしまうと、主張方法がどんどんエスカレートして、引きこもり・自殺未遂・家出・DVなどに発展してしまいます。
将来そういう「リスクのある主張方法」をとらずに済むためにも、正しく主張することを小さなうちから習得してほしいと思っています。
自己主張をどのようにコントロールするか、それにはまず、相手にも主張があるということを認識させることが重要です。
個別対応の時によく使う手法は、ボールでもペンでも何か一つ具体物を使って、発した主張を見える化すること。これが外でも使いやすい手法です。
「あなたの主張を一つ聞きます。なので私の主張も一つ聞いてください」ということを具体物を行き来させわかりやすくするのです。
具体物を使うことで今はどちらが主張するターンかを明確にすることができます。
ただ、それでもうまくいかないやり取りになってしまう時は、きっと「これが無理ならこうして」というセリフが出てきてしまっている状況です。
これは両者自分の主張が通らなかったという残念な気持ちだけで終わるので、お互いにマイナスな交渉になってしまいます。できれば片方が主張を妥協するというやり取りではなく、別々の主張を等価交換するつもりで交渉する方が望ましいです。
実際にやってみると難しさはありますが、慣れてくるとお互いを受け入れていく関係につながるので親子関係も悪化せずに済みますし、他人とも関係が築きやすくなります。
私たちは子どもたちによく尋ねます。
「なぜ先生たちは君たちの主張ばかりを受け入れなければいけないのですか? 君たちが先生たちの主張を受け入れてくれたわけではないのに」と。
それは本当の意味の対等な関係性を築くために必要な問いだと思います。一方が我慢して成り立つ関係にはいつか無理がくる。そしてその関係が当たり前として育ってしまうと、他人との対等な関係に不快感を覚えてしまうか、そもそも関係を築けなくなってしまう。
家族が良かれと思ってしてきたことが、将来的に裏目に出ることほど悲しいことはありません。
何度も言いますが、家族が一生懸命に愛情を持って子どもを育ててきたことはわかっています。子どもが家族の愛情を受けとって育ってこられたのは、本当に幸せなことです。
ただ、社会が教えてくれなくなっている今、どこかで自分の主張が受け入れられない経験を積む必要性があります。
社会では教えられないものの、自己主張のコントロールは必ずいつか求められます。その経験を家庭内で積めないなら、ハートフルウェーブで積んでもらわなければと思うのです。