学校とは違うハートフルウェーブの常識

“誤学習”を改める

私が息子を育てる中で出会った先生からこんな言葉をいただいたことがあります。

「自己主張は大事。ただ、自己主張と協調性は両輪あって成り立つもの。自己主張だけではわがままになるし、協調性だけでも息苦しくなる。その両輪を育てることを意識して」と。

個性というものが過度に尊重されるようになった今、自己主張は「したもん勝ち」のような状況にもなっています。もちろん嫌なことを嫌だと言えることはとても大事なことです。

しかし、自己主張に慣れている子どもたちは、自分の自己主張の裏側に誰かの不快がある可能性があることを知らない場合もあります。もちろん、保護者ならば子どもの要望を満たしてあげることそのものが喜びになることもあります。

だからこそ、保護者の中でしか育ってこなかった子どもたちは、自分の自己主張で誰かが嫌な気持ちになるなんてことが想像もつかないのです。

子どもが幼い時はそれで構いません。嫌なことをわかってもらえるという経験が、安心した生活の基盤を作ることにもなります。

しかし、一方で嫌なことを排除されすぎている極端なケースもよく見ます。好き嫌いが激しい子どもたちは、ご家庭がすでに「子どもの食べるものしか出さない」という状況になっているケース。

わがままとしか思えないような自分の主張しかしない子どもたちは、ご家庭がその子のすべての主張を聞くために他の家族が二の次になっているケース。

主張をするたびに癇癪を起こしたり、暴れる子は、ご家庭が我慢を覚えさせようと思いつつも最終的に言うことを聞いてしまってきたケースなどです。

「主張することは大事。あなたの言いたいことはわかった。でも、ダメなものはダメ。無理なことは無理」というシンプルなやり取りが、もう家族の中だけではできなくなってしまっているのです。

「感覚過敏があり食べられるものが少ない中で、食べさせないわけにもいかない」という気持ちもわかります。

「子どもが一人という家族構成なので無意識に大人が子どもに合わせてこれちゃったんです」というのもわかります。

「我慢させようとしたけど、あまりに泣きわめくから困り果てて」というのもわかります。

「子どもの意思を尊重しましょう」という社会で、「泣き声が聞こえたら虐待を疑いましょう」という社会で、そして「主張できることは大事。個性が大事」という社会で、「主張を受け入れるということは何か」をじっくりゆっくり考える余裕もなく毎日を回さなければいけない家族だけでは、主張と協調性を両方いい塩梅で育てるのはかなり大変なことなのです。

家族だけではできないことを社会もできなくなったので、「家ではいいけど外ではダメよ」すら通用しなくなっています。

次回更新は11月3日(火)、18時の予定です。

 

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