ある日私はサークルの飲み会で夕方から朝方まで騒いでいました。今ほど携帯電話が生活の一部でもなかった時代だったので、飲み会中に携帯電話を見るなんてこともありませんでした。そしてその日はそのまま就寝、お昼過ぎに起きて携帯電話を確認すると知らない番号から何件も着信が入っていたのです。

私は、それを見ても焦るわけでもなく、「何だろう」とぼんやり思うだけでした。

私はとりあえずその番号に電話をしてみました。

着信は私が「何かあったら電話してきていいよ」と軽く番号を教えていた生徒の一人からでした。彼女は私が電話を折り返した昼過ぎには、もうすでに息を引き取っていました。

私が友人たちと騒いでいる間に、彼女の心に「何か」が起きていたのです。

彼女の命は、あの時電話に気づいていたら消えなかった命かもしれません。

「頼っていいよ」と言っておきながら、私は頼ろうとしてきた子に振り向きもせず過ごしたのです。どんな思いで、電話をかけたのかはもうわかりません。

どんな状況で電話をかけてきたのかもわかりません。振り返り想像するのが怖くなった私は、その日初めて自分の仕事の責任を感じました。

教育は人を育てるだけの場ではない。ましてやアルバイトとしてお金になるマーケットではない。教育にかかわるということは子どもの命にかかわることだということを彼女に教えてもらったのです。

そこから今に至るまで、夜中だろうが早朝だろうが基本「即レス」するようになりました。

思いがけず予期せず消えてしまう命がある。もう二度とかかわっている子を死なせたくないと思っています。

大分から、日本から、世界から、自分の手で自分の命を終わらせてしまう子どもがいなくなりますように。

本当に死ぬくらいなら何もかもやめて逃げていいんです。子どもが自分の命を懸けてまでやることなんてないと思っています。

大人になったら「自分が命を懸けてまで守りたいものがある。命懸けで達成したいことがある」ということは尊いことだとは思いますが、大人になるまでの子どもの命は大人が守ってやらねばならないものだと思っています。

次回更新は10月27日(火)、18時の予定です。

 

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