【前回の記事を読む】新型コロナによる部活動停止から2週間。人もまばらなプールでただ1人、無心で泳ぎ続けるうちに、自分が水の中にいるのか分からなくなり…
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キャプテンからは、正式な対応が確定するまで、とりあえずの間は、プールを使用せず、各自が筋トレなどの自主練習に励むように指示が出されていた。とはいっても、大学のトレーニングルームも使用できず、ジョギングをするくらいしかできずにいた。
ジョギングといっても、実際のところ運動不足解消程度にしかならない。結局、部内で感染が拡大することを監督が恐れ、判断を学生幹部に任せたのかもしれない。本当のところは、下っ端一年生の自分たちにはわからないことだった。
身の置きどころもなく、他にすることもなく、なんとなく無為に二週間を過ごした。
「個人個人での活動としてなら」「感染対策を徹底して」という言い訳がましい条件で、二週間ぶりにプールの使用が認められた。が、喜んだのもつかの間、「どうやらまたすぐに制限がかかり、本格的に活動停止が言い渡されるかもしれない」という話が、一年生部員共有のメッセージアプリで今朝回ってきた。
部全体共有のものではないので、確かな情報ではないのだが、まあ、世の中の状況を考えると、それはかなり真実味を帯びていた。
これから一体どうなるのだろう……。三月初めに予定されていた合宿が急遽中止になったように、この先の大会も実施されないかもしれないという、先輩たちの不安が、私たち一年生部員にも現実のこととして押し寄せ始めていた。
またすぐに泳げなくなるかもしれない。そして、それがいつまでになるか、先を見通すこともできない。大会どころか大学の卒業式や入学式ですら中止になっているのだから。
それならば今のうちに、と気持ちが動き、チームメイトの涼奈や凜にも声をかけずに、一人でプールを訪れてみたのだった。