【前回の記事を読む】「なぜこんな辛い山に」厳しい風雪のなかでも自然が語りかける「生きろ!それも楽しんでいきいきと!」というメッセージ

ナンシン共和国の章
お父さんと僕の冒険篇

おじさんに聞く「山と自然と宇宙」のこと

擬人化することは、人間の“詩ごころ”のなすところ、だと思うよ。

童謡に「北風小僧の寒太郎」(1)ってあるだろう。さあ、これから寒くなるぞ~って、寒の始まりを、肌感覚を持った言葉で教えてくれる。

世の中にはいろんな人がいる。知れば知るほど、どうやったら、そんなすごいことができるんだろう!という人が、いっぱいいると思わないか?

例えば、図書室にある伝記を読んで、それを感じることもあると思う。偉人たちのすがたに、「自分自身を大事に生きよう」とのメッセージを感じないか?

気がつけば、身近な人たちの中にもいっぱいいるよ。なぜか、なかなか気づかないんだよなあ……。

お父さんが見つけたものは、たまたま知った登山家からヒントを得ただけなんだ。

自分の中に、初めから持っているものに気づいたんだよ。

岳斗 お父さんと山に登ったとき、同じものを感じたのは、そういうことなんだね。

自分の心と、自然とが、いつも一緒という気持ち。自然の中にいると、あったかい気持ちがする……。でも、あったかい気持ちで、いられない時がある。雨に打たれたときや、雷が怖い夜など……。それが終わったら、少し安心できるけれど、あったかい気持ちにはなれないなあ……。

今、岳斗くんがいったことを聞いたら、お父さんは、喜ぶと思うよ。

自分に、限りない可能性があることに気がつき、それを大事にし、挑戦することが、希望そのものだ、と信じ始めたのだろう。

お父さんは何を信じようとしたのか? 自分を信じようとした。

湧き水のようにくめども尽きぬ希望が、自分の中にある。

自然と触れ合うことで、自分を見つめ直すことができた。自分を見つめ直す機会があるのは、とてもありがたいことなんだ。