【前回の記事を読む】大人は「◯◯であるべき」というルールに囚われて、新しい出来事を受け止められない。そんな大人に必要な「子どもの視点」とは
ナンシン共和国の章
お父さんと僕の冒険篇
父と夏山登山へ
僕の父さんの名前は春樹……。岳斗は、思い出しながら話した。
おじさんは父さんのことを、子どものころから知っている。
3年生になって半年になるんだけど、僕は、どんなことも楽しみに変えることができるようになった気がする。
それは、父さんと、山に登ったことも関係しているのかなあ。
でもね、僕にはよくわからないことがある……。
僕の父さんは、よく山に登っていることは、知っていたんだ。
夏休みに、登山に誘ってくれたんだ。とても楽しかった。山の中では、いつもの父さんと違って、ドジなところもいっぱい見たよ。「失敗を楽しんでいる」ともいっていた。すごい体力があって、3000mの山もへっちゃら。
何でも聞いてくるから、山では友だちみたいだった。
かき氷を作るときに使う、あずき煮は持ってきたけれど、シロップを忘れたことに、かなりへこんでいた。
「山で食う、氷あずきと、かき氷は格別なんだよな。しかし、残念だな……」といいながら、氷あずきを、おいしそうに食べていた。
氷あずきも、かき氷も大好きだけど、さすがに食べ過ぎるとおなかを壊しちゃう。
夏でも雪渓という残雪があり、きれいなところを探して、ざらめの氷として使える。
山の中では、天気や気温が刻々と変わってゆき、次の行動を選ぶときに、必ず「岳斗 これどう思う」と聞いてくれた。
「一緒に、同じ釜の飯を食った仲だ、一生、付き合えよ!」と山の鉄則を、あえて、僕に向かっていった。どういう意味?
「親子以上に縁が深まるのが、山で一緒にパートナーを組むことだ」とも、教えてもらった。あとで知ったけれど、ロッククライミングなど命を預けて、共に戦う者同士のことをパートナーというらしい。
そのときは本気で聞いてしまった。