【前回の記事を読む】「危ない」と言う間もなく、彼が足を滑らせた。岩場から体がふわりと空中に浮かび、急いで手を掴むと…
第3話 女神山の山頂は不思議なことだらけ
「朝から晩まで赤い空なんです。私たちの住む星は」
不安に駆られた3人は一歩下がりました。
姫子が意を決して質問しました。
「私たちが住む星って言ったわよね? 地球じゃないの?」
「ああ、自己紹介がまだでしたね。何十光年もの遠くから来ています。でも別な通り道があるので、あまり時間は掛からないんですよ」
「別な通り道?」と姫子。
淑子は姫子がエイリアンと会話していることに驚きを隠せません。
「この地では古来伝統的な和紙が漉かれていますね。紙には表と裏がありますが、みなさんは表しか知らないんです」
姫子が即座に反応しました。
「裏から来たの。裏口入学? オウムアムアなの。エイリアン? UFO? 未確認飛行物体ね」
声だけの存在が言葉を返しました。
「オウムアムアと呼ばれている宇宙船のことは知っているんですね」
「そう、あれはエイリアンの偵察船じゃないの、地球侵略のための?」
姫子はたじろぎながら返しました。
「実はあの船は、古代の地球人が打ち上げた宇宙船なんです」
「何言ってんだか、わかんない」
丈太郎の大好きな漫才師の口癖です。
「何万年も前に地球には現在以上の文明があったんです。しかし、微惑星が衝突して滅びました。そのときプレートが動いて当時の大陸や文明の痕跡はマントルに飲み込まれたのです。その時代の人たちは、その運命を察知して、歴史の記録をあの船に託して宇宙へ飛ばしたんです。
しかし、故障で軌道が狂ってしまい、太陽系惑星回転面と直交するような動きになってしまった。数千年に一度は太陽面を横切る悲しい存在です。地球に近くなったら歴史記録を発信することになっていましたが、残念ながら故障したようです」
姫子は声の主に厳しく迫ります。