「え、僕ですか? 分かりました。少々長くなりますけど。

物語はデンマークの王宮で衛兵が亡くなったハムレット王の亡霊を目撃するところから始まります。

衛兵達は王の息子であるハムレット王子の幼馴染のホレイショーに相談し、彼も亡霊を目撃し、間違いなくハムレット王の亡霊だと確信します。亡霊は鎧兜に身を包んだ状態で王宮を歩き回ります。

ハムレット王はその昔、ノルウェイ王との決戦で彼を一騎打ちで破り、多くの領地を手に入れた英雄でした。

ハムレット王が亡くなった現在、ノルウェイ王子のフォーティンブラスが父王の復讐を虎視眈々と狙っている状況でした。

ところで、ハムレット王が亡くなった後、その弟であるクローディアスが王位を引き継ぎ、ハムレット王の王妃であったガートルードをそのまま自らの妃としてデンマーク王として君臨していました。

しかし、王子ハムレットにはそれが非常に不満でした。

彼は父の死の悲しみを未だに拭いきれず、いつまでも喪服に身を包んでいます。そして父の死から2か月も経っていないのに再婚した叔父と母を薄情者と心底憎んでいました。

そんなハムレットにホレイショーは父王の亡霊を見たと伝えます。

一方、国務大臣ポローニアスの息子であるレアティーズはフランス留学に旅立つ直前、妹のオフィーリアにハムレットを相手にしないよう忠告しますが、ハムレットを愛するオフィーリアは耳を貸しません。

そして、ハムレットの前に遂に王の亡霊が現れます。

亡霊はハムレットに恐ろしい告白をします。王は病死したとされていましたが、実は殺されたと言うのです。

亡霊の言うところでは、ある昼下がり、彼がいつものように庭で昼寝をしていると、クローディアスが密かに彼に近づき、耳の孔にヘボナという猛毒を注ぎ込み、一瞬にして彼を死に至らしめたというのです。

そして以前から不倫関係にあった妻のガートルードを妃として王位を簒奪したと主張し、ハムレットに復讐を命じました。

ここからハムレットの地獄が始まります。

ハムレットは前国王の死の真実は内密にし、周囲には、愛するオフィーリアの前でさえ狂人として振る舞います。

父の復讐と母への愛の狭間で激しく苦悩するハムレットは有名な台詞『生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ』(to be, or not to be)を独白します。

ハムレットの真意を確かめるべくガートルードは彼を呼び出しますが、壁掛けの陰で盗み聞きをしていたポローニアスを奸臣と考えたハムレットは剣で刺し殺してしまいます。その罪をもってクローディアス王はハムレットをイギリスに追放し、暗殺しようとします。

フランスから帰国したレアティーズはクローディアスから自分の父がハムレットに殺されたことを知り、復讐を誓います。

しかし、妹のオフィーリアは愛するハムレットに父を殺されたショックで正気を失い、川に身を投げて自害します。

怒り心頭に達したレアティーズはクローディアスと謀って、剣先に毒を塗った剣でハムレットに決闘を申し込むことにします。クローディアスはレアティーズがしくじった時のために毒杯を用意します。

暗殺の魔の手を掻い潜ったハムレットは密かに帰国しますが、そこで目にしたのは愛するオフィーリアの葬儀でした。

絶望したハムレットは自らの全てを運命に委ね、レアティーズとの決闘を受けます。そして……」

「あっ、そこからなら私も分かります」

急にコロネが割って入り、終幕まで自分が目にしたことを説明した。

「まあ、おおよそそういうところだ」

天蓋が言った。

次回更新は10月2日(金)、21時の予定です。

 

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