【前回記事を読む】娘の妊娠を聞いても、私たち夫婦はすぐに喜べなかった…「やっと、お爺ちゃんやねぇ」の一言で実感した翌週、喜びは幻となり……
おっさんのロックンロール
長寿社会
私がまだ現役で働いていた頃の話である。
出張先で昼食を摂ろうと、ビジネスホテルの最上階のレストランへ向かった。こんな時でないと贅沢はできないので、普段のランチの倍の値段はしたが、ビュッフェ方式なのでデザートに食後のコーヒーまで頂けることを考慮するとお得感があった。
ウェイトレスに席まで案内されると、早速料理が盛ってあるカウンターに向かった。すると、そこには先客がいた。
お年寄りの女性グループがまるで女学生のようにはしゃいでいる。
あれが好きだとか、嫌いだとか、楽しそうにお皿に料理をドンドン盛っていく。きっと、気心の知れたお友達が揃って、この後観劇にでも出掛けるのだろう。ある意味、微笑ましいちょっと贅沢な昼食会である。
私も彼女たちの年齢に達した時、このような優雅な時間が過ごせたらいいなぁと、羨ましく思いながら眺めていた。
一通り欲しいものは食べ、日頃食べないデザートやジュースまで頂き、満足してレジに向かった。
すると、先ほどのご高齢叔母様軍団が、またぞろトレーを持って、お料理を盛ったカウンターへ並び始めた。彼女たちは私が到着する以前から食事をしていたはずで、私がお腹一杯になって帰ろうとするその後も、食事を続けようとしていることに肝を潰(つぶ)した。
日本の長寿社会は当分続きそうだと、複雑な気持ちでその場を後にした。