【前回の記事を読む】庭に野良猫が住み着き…「産まれてはどこかに行く」を繰り返し、ネズミ算式に増えていった。保健所に連絡しようと思ったが…

ペットたちとわたしの物語

記憶三

我が家の庭で何匹ともいえない猫たちが入れ替わりしていた時期がある。今思うと死がいを全く見なかった。わたしは絶え間なく主人へ「トラブルへの不安」を訴え続けた。その内くろが年をとったのだろうか、子を産めなくなった。それで自然消滅的に我が家の庭から猫たちがいなくなった。

わたしは心ではちゃんと飼いたかったが、「数の多さ・病気持ち」とか考えると、無理という思いがあった。それに中途半端な関わりに抵抗があり、世話等の関わりは一切しなかったが、追い払うことも出来ず、どこかに行ってくれることをただ祈っていた。

結果的にわたしは何匹もの仔猫を見ることになった。そこで大げさに言うと発見をした。 兄姉弟妹で、ほとんど同時に生まれた仔猫たちなのに、その個の多様さを期せずして知ったのだ。

性格はもちろん、その全てにおいてまさに「それぞれ」個性があった。いろいろな異なる猫たちを見ることになり、驚きと共に、わたしたち人間も同じ親、同じ時に生まれたとしても、個性の「違い」があるのだろうとの思いを馳せることになったのだ。

出会いと別れ

庭から猫たちのざわめきがなくなったと思う間もなく、ある日、庭で草むしりをしていたわたしの目の前を気味の悪い風袋の何かが走って横切っていった。わたしは視力が悪くよくそれを確認出来なかった。それで、わたしは仕事場から帰宅した主人に向けて言った。

「くろはお腹が大きかったと思う。多分くろの子じゃあないかしら」