遥香は、僕と遥香の家族の関係を、僕と明里さんの関係を、僕と両親の関係を、見事に架け橋となって繋いでくれた。
僕はたくさんの人にとって必要とされる存在なのだと気づくことができた。そんなことができるなんて、やっぱり遥香はすごい人だ。
僕は遥香みたいに、自分の命を捧げてまで人を思いやることはできないと思う。
でも、いつかそうなれるように、一生懸命前を向いて歩いていくよ。
嫌なことから逃げずに、ちゃんと向き合うよ。
遥香を気にせずに生きていってほしいだなんてお願い、申し訳ないけど僕は守れない。
だって遥香は、僕にとても大切なことを教えてくれたから。大切なものをくれたから。遥香が願う通り、僕はこれからたくさんの人に僕なりの優しさを与え続けていこうと思う。
遥香の優しさと比べたら全然足りないかもしれないけど、僕なりに頑張ってみるよ。遥香が僕の身近な人たちの中で生きられるように。だから、どうか見守っていてほしい。
僕が奪ったきみの時間さえも愛してくれてありがとう。
僕にきみの人生のすべてをくれてありがとう。これからも一緒に生きていこう。ずっと、大好きだよ。
明里さんと並んでお墓を後にする。ふと爽やかな優しい風が吹き抜けた。
「ありがとう」
風に乗って、遥香の懐かしい大好きな声が聞こえた。
完
本連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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