【前回記事を読む】漏らすのが当たり前になった老猫…脚は動くのに、なぜトイレの横で漏らすのか…最近続いていた粗相の原因がようやく判明。

悲しみの底で見つけたもの~猫さんが生きた八十九日間の記録

四月二十一日(月)

妻から「かかりつけ病院には行かないの? 早く行った方が……」と催促された。分かっている。急変時の対応を話し合わなければならないのだ。いくらもう治療の選択肢が全て失われたとはいえ、苦しむ猫さんに何の対症療法もしないで死なせるつもりは毛頭なかった。

がんの進行よりも腎不全が予後を決めるという状態であるのは明らかだった。そうなると今後予想されるのは尿毒症か心不全だ。苦しくならないように最低限の緩和治療について打ち合わせておかなければならない。明日、二十二日は仕事が休みだ。

だが、まだ早いと思った。二次病院からのレポートがかかりつけ医に届くまでは数日はかかると踏んでいた。猫さんの命はまだ少しは持つだろう。はっきりした根拠は無いが、私の誕生日である二十六日か、もう少し先まで体調が崩れる事は無いのでは?

少なくとも今日明日に急変する事は無いだろうと予想した。かかりつけ医も専門病院のレポートを読んだ上で方針を考えて話し合いに臨んだ方が良い。私はそう思って、受診日を次の次の休日である二十四日に決め、妻にそう話した。彼女は不服そうだが、まだ大丈夫だよと言い聞かせると、納得してくれた。