〇練習とトレーニング
練習することもトレーニングも繰り返し行うことに変わりはありませんが、体操では技術的要素を習得するために繰り返して行う運動を練習といい、トレーニングは筋力や機能をつけるとか持久性を高めるといった体力的要素向上に重点をおいています。
練習で覚えたこと、例えば自転車に乗れることは一度覚えると時間が経過してブランクがあっても覚えていますので不可逆的です。
しかし、トレーニングで強くなった筋力は使わないと委縮するので可逆的です。子どもの時期に覚えた、はいはい、歩くなどの基本動作は生きるための土台づくりとなり老いても生涯役に立つのは、練習とトレーニングの両面を続けるからです。
速く、強く行うための筋機能は低下して遅く弱くなりますが、昔できた動作は覚えており失われていません。
運動は、解剖学や運動生理学の知識を踏まえて科学的に練習して、疲れず上手で美しいといわれる合理的練習を繰り返します。基礎的な一般体操では動きの修正をしながら身につける練習を多く行い、動きの出来ばえを強調しています。
〇「合理的な動き」とは
「合理的な動き」とは、どんな動きでしょうか。
一般的な言葉では、きれい! 上手な動き! 簡単そう! 美しい! などで表現されます。
どのような技もスマートで滑らかな動きで、のびやかな動き、タイミングの良い、リズミカルな動きは流動的で疲れも見えません。自分でも動けそうな錯覚を起こします。
また、合理的な動きは自分の能力をバランスよく使って無駄がありません。
「最小のエネルギーを使って最高の効果をだすこと」ですが、これは簡単ではありません。
しかし疲れないように動くと、無駄な力は使わず、使われない筋肉までも緊張させないで休ませる使い方ができます。そのとき注意するのは、動的姿勢を意識して軸を安定させることです。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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