今回の事態は神奈川県だけに起こった緊急事態であり、予想だにしなかったことで、何の準備をする暇もなかった。
他県への協力依頼はやむを得ないことであったと言えるが、近い将来に予想されるCOVID-19の感染蔓延期においては全国各県で同時におそらく今回よりはるかに多くの患者が発生する事態となろう。他県の手伝いをできる県はほとんどないと考えていい。
県内で発生したすべてのCOVID-19症例の治療はすべて県内で治療しなければならないであろう。そんな事態に備えるため、県内で完結するコロナ診療体制の構築は喫緊の課題であった。
また同時に軽症患者に関しては自宅療養、宿泊施設での経過観察を行い、入院を必須としない対応が可能とする対応変更を視野に入れざるを得ないと考えていた。
実際に、感染が拡大し、2つのクラスターが発生した相模原市においてはすべてのCOVID-19患者の市内での病院収容ができなくなり、全国に先駆けて、市独自の対策として、2020年2月から軽症のCOVID-19患者さんに対する自宅療養の要請を開始した。
自宅療養中のコロナ患者には、期間中の経過観察と療養終了を決定するための診察と検査の実施が必要である。市はこれを相模原市医師会に委託し、自宅療養を行う施策を開始したのである。
相模原市医師会がこの事業を受託した期間は2020年3月26日から5月13日までであった。
このように行政から依頼されて医師会がコロナの診療、検査を行うということは前例のないもので、全国に先駆けたシステムであった。
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