日持ちの良い柿を作る

もちろん、前項(ヤワ果の大量発生)にあるように、無肥料栽培でも可能である。しかし、天候に左右されないように、安定的に、日持ちの良い柿を生産するには、水田を利用するのが最も手っ取り早い方法である。

水田は、通常石灰を肥料として使用していないので、pHは五・五付近である。柿畑に転作後、pHが六・〇を上回らないように、苦土石灰を散布すればよい。ただ、最初からやり直さなければならない。

新しく柿木を植える農家がほとんどない昨今、現実的ではないが、海外への輸出で後継者問題が好転すれば、最も良い方法である。

水田での柿栽培は、「水田での柿栽培を再考する」で述べたように、必ずしも適地ではないかもしれない。しかし、そもそもpHが五・五付近であるので、ヤワ果発生が天候に左右されることは防げると考えられる。そして、柿栽培を始めた時から、肥料の量を、適切に管理すれば、日持ちの良い柿を作ることは、十分可能である。

難病の克服をヒントに共生菌の働きを知る

平成二十七年、六十六才の時、自己免疫性溶解性貧血との診断を受け入院することになった。誤った免疫反応により自分自身の血液中の赤血球が攻撃され、貧血になるという病気である。赤血球が不足すると、息が切れ、足のむくみ、めまい等が起き、進行すると意識を失うこともあり、難病に指定されている。

早速、ステロイドホルモンによる治療が始まり、薬を飲むこと以外に何もすることのない退屈な入院生活を送ることになってしまった。

そして退院後、偶然にも免疫の改善に良いという乳酸菌に出合い試してみることにした。一年程経った七十二才の時、尿の色がきれいになっていることに気が付き、これはすごいと思った。そして、その後も順調に回復した。

しかし、七年以上もの間ステロイドを飲み続けた結果、副賢皮質からのステロイドホルモンが十分に分泌されなくなり、体の中の同ホルモンが不足し、倦󠄀怠感等の症状が発生してしまった。ステロイド離脱症候群と呼ばれる現象である。

生き物の各器官は使うためにあるのであって、外から与えられて、使う必要を感じなくなると退化してしまうということだ。考えてみれば当然のことである。しかし、このことがまさか植物の栄養吸収にも当てはまるとは思わなかった。

ほとんどの植物は、より広い範囲からリン酸を吸収するために菌根菌に助けてもらっている。菌根菌は、植物の根から分泌される栄養をもらって生きている。両者は共生関係にあるのだ。しかし、そこに外部から、水溶性のリン酸を与えると、菌根菌は働く必要がなくなり、共生システムが崩れてしまうのだ。

しかし、この共生システムは、すぐには崩れないようだ。県知事賞受賞後、柿が普通にもどるのに約七年かかったのだから。その間は、肥料として与えたリン酸が、共生システムにより広範囲から効率よく吸収されたことになる。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

👉『無肥料栽培は良いことばかり』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】熱いキスをすると彼女の頬が染まり、どきどきしているのが伝わってきた。僕は激しく、優しく彼女を抱いて…

【注目記事】気が付くと既婚者の女性と2人きりで飲んでいた。記憶はないが、そのままホテルに行ったらしく…

 

ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp