4 哲学から見た科学
哲学と科学の関係を紐解く
前項のテーマである時間は、科学においても「ある」とか「ない」とか「伸び縮みする」とか、哲学的な雰囲気で解釈される。特に量子力学の分野は哲学さながらに難解を極める。このように、哲学と科学は相反する、対極にあるイメージを持つ方も多いだろうが、じつは似ているのかもしれない。科学を哲学的に捉えると面白いのではないだろうか。
現在、物理学は、はやぶさのような小惑星探査機による宇宙旅行や巨大な加速度実験機材などによる素粒子の発見など目覚ましい進歩が見られる。次々と新しい発見がなされ、我々は目をくらまされているような状況である。
こうした物理学を哲学の視点から見るとどうなのかを一度問うてみるのは大切なことではないかと思う。物理学の基礎には数学があり、現在の物理学には数学が必須のようである。私は物理学や数学にはまったくの素人であり、数式などというものは到底理解できない。
そうした者が物理学や数学を語るということは、僭越の極みとも言えるが、哲学の視点から数学や物理学がどう見えるかということは、一度試みる価値はあるのではないかと考える。
前近代においては自然科学と哲学は一体なものであり、ギリシャ哲学などは自然科学と哲学が区別できないものであったとみられていた、というよりはっきり分かれていなかった。考える(思考)ということでは、哲学も科学も同じものであったのだと言える。
17世紀になっても、ニュートンが万有引力の法則を発表したことで知られる『プリンキピア』と一般に呼ばれている有名な論文は、正式には『自然哲学の数学的諸原理』(1687年)という題名であった。ここでは、科学は自然哲学ということで表されている。
その後、科学の急激な進歩により、哲学は切り離され、別のものとして分離された。そして科学は数学化が進み、エビデンス(数学的な一致、観測の一致)の重要性が強調され今日に至り、真理へ至る唯一の道と信じられつつある。
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