帰りたい家

アルツハイマー型認知症の中期の頃の母は、夕方になると、家にいるのに「帰りたい」と言い出しました。「夕暮れ症候群」と呼ばれるものです。多くの認知症患者は夕方頃になると、落ち着かなくなるそうです。

父母は苦労して名古屋市内に家を手に入れました。その家にいるのに、母は「帰りたい」と言うのです。

話を聞いてみると、母の帰りたい「家」は愛知県小牧市なのです。母はそこで幼少の頃を過ごしています。

認知症になって帰りたい家は、ローンを組んで買った家ではなくて、子どもの頃、過ごした家なのです。母が帰りたい「家」にはもしかしたら、母の「お父さん」がいるのかもしれませんね。

母の父、私の祖父は母が小学生のときに亡くなっています。母は「お父さん」に会いたかったのかもしれません。「帰る」ことができれば「お父さん」に会えると思っていたのかもしれませんね。

私自身は、今まで10回以上引っ越しをしています。私が認知症になったとき、どの家に帰りたいと思うんでしょうね。私は小学生のとき、古い小さな借家に住んでいました。雨が降ると雨漏りもしました。不動産価値に関係なく、あの家に帰りたいと言い出すのかもしれませんね。

 

 

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