【前回記事を読む】女は天を仰いで、あざ笑った。「あなたが今飲んだ果実酒には、“あるもの”を入れていたの」と高笑いして、欲望のままに…

第1章 光の神が創った世界

3―1 別の者と化したルシフェル

ソフィアは小柄な老婆を連れて寝室に戻ってきた。老婆は深紅(しんく)のドレスをまとい、骨を細工した杖をついていた。首に色とりどりの宝石を連ねた首飾りを下げている。

老婆が口笛を吹くと、どこからともなく三人の女神が現れ、ルシフェルの前にひざまずいた。老婆は尖った長い爪を立てて女神たちの喉元を引き裂いた。血が勢いよく噴き出し、ルシフェルを真っ赤に染めた。老婆はソフィアの腕を取り、「まだ足りぬ、足りぬのだ、ソフィア!」と言うと、ブツブツと呪文を唱え始めた。

うとうとしていたルシフェルが目を覚まし、悲鳴をあげて飛び起きた。女神たちの鮮血が全身を染めると、再びおぞましい姿に変貌した。

ルシフェルは老婆を睨みつけると、首に手をかけた。老婆はその手を杖でたやすく払うと、杖の先をルシフェルの眉間に突き刺した。

「まだだ、まだ足りぬ。早く早く本当の姿を現すのだ! ルシフェル!」

ルシフェルは、首から血を流し痙攣している女神たちに飛び込み、かぶりつきむさぼった。ルシフェルはより恐ろしく、より狂暴に、みるみるうちに憤怒の形相に変わっていった。

老婆はソフィアの腕を掴み、ドレスを引き裂いてルシフェルの前に立たせた。

「ルシフェルよ! ソフィアの身体をもっと求めるのだ。そなたの渇きを癒やせるのはソフィアだけだ」

ルシフェルは喰らいついていた女神の肉片を吐き捨てると、ソフィアを引き寄せた。女神たちの血がたまったその中でソフィアを激しく求めた。それを見ていた老婆の目がギラッと輝くと、何かを確信したようだった。

「そうだ、それでよいのだ」