サプライズUターン
大学を卒業して、そのまま県外に残り就職した。普通に働くのは難しいと言われていたが、私は夜勤のあるハードな仕事に就いた。全く何を考えているのか、自分でもあきれるが、興味のある仕事だったのでとりあえず就職してみた。
だめだった時のことは考えもしなかった。私は、持病があることをハンデに感じたことはなかった。やりたいことだから、やる。
激務だが楽しく働いていたものの卵巣嚢腫ができ、職場で倒れた。救急車で運ばれ緊急入院し、即手術と言われた。
いやいや、私には生まれ育った別荘(地元の総合病院の小児科)がある。転院の手続きをしてもらい、緊急帰省した。私の破天荒な性格に慣れつつあった家族はもう誰も驚かなかった。
卵巣嚢腫になぜ、気づかなかったのだろう。私は幼いころから体調不良が普通だったため、病気が悪化するまで他の人もそうだと思って、知らず知らずに我慢してしまうので、痛い目に何度もあった。
でも最終的には自分のやりたいことをやって良かったと思っている。たとえ思ったような結果にならなくても、自分で決めたことには責任が持てるし、その経験は自分を強くする。
私は老後は生まれ故郷で過ごすと決めていたので、30歳になったのを機にUターン就職をした。実家で両親と妹夫婦と一緒に暮らすことになった。
約100キロ離れた県外から帰ってきたのだが、ここでも私の破天荒ぶりを発揮した。今でも、母には「人生で一番驚いて、腰が抜けるかと思った」と言われる。100キロ離れたところからの引っ越しとなると、一人暮らしの荷物だけでもかなりの費用がかかる。
加えて私は車を持っていたので、それを陸送するとなると8万円かかると言われた。そして、肝心の私自身が帰る費用もかかる。正直もったいないと思った。
そしていいことを考えついた。私が車に乗って実家に帰ればいいんじゃない。それに車に乗るだけの荷物にすれば、引っ越し代がタダ! 自分でも天才なんじゃないかと思った。でも、それでは普通過ぎないかな、と何かもっとみんなが驚く方法で帰りたいと思った。
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