第1章

小さな試練の始まり

私は保育園をハシカの為、一ヶ月遅れて入園しました。すでに入園していた子供達は、すっかり慣れていて飛びまわって遊んでいましたが、私は知らない世界におびえていました。

毎朝、母は私をなだめ「お弁当、お稲荷さんにしてあげるから」などと言うのですが、保育園の門まで来ると大声で泣き叫びました。

当時、父の仕事は出張が多く、母は手紙に「一年、遅らそうか?」と相談したそうですが、父は「絶対、通わせるように」の返事だったとか。

泣き、わめきの朝は続き、全員集合の朝礼では一番後ろに座らせられ、先生がそばにつきそって居てくれました。

やがて保育園の1日のルーティーンに慣れてくると、他の子供と遊ぶ事もできるようになっていきました。

やはり束の間の時期を甘やかさなかった親の躾けの厳しさ、強さは、貧しい時代の中で親としてブレはなく、子育ての中にも生きていたと思います。