8 「名画を楽しむ」ということ

医師会の役員室には、会員が寄贈してくれた油絵が掛けられており、鮮やかで素晴らしい絵画だと素人の私でも理解できる。

絵画そのものの評価は専門家に委ねるとして、その作者は、内科医院を開設し永年、地域医療に貢献してこられた。

以前は、医師会として絵画や美術展を開催していたため、写真、随想や小説を書く多彩な腕前の先生の多さに感心したものである。

私も絵画を鑑賞することがあるが、以前指導を仰いだ教授による書籍を読み返してみると、医師の立場で作品を鑑賞すると別な楽しみ方があることに気づいた。

私の書棚の片隅に『名画の医学』(南江堂)という書物があり、名画を楽しみながら医学を学ぼうというもので、これは学生時代に生理学を教わったY教授が執筆したものである。

先生は国際疼痛学会副会長をされた痛みの権威であり、20年以上前にも講演で平塚に来ていただいたことがある。

学生の講義では博学の一面が出すぎて、授業を脱線したことがあるものの「無知は罪だ」とよく言われたことは、医学を学ぼうとする学生の私には大変衝撃的な言葉であった。

さて、先生のサインをいただいた書物の1ページに世界的に有名な『モナリザ』を「診る」というくだりがある。この「診る」とは医師の眼で名画を観

察するという意味である。

様々な媒体で調べた結果、『モナリザ』はイタリアのレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた有名な油彩画で、フランスの国有財産となっておりパリのルーブル美術館が常設展示をしている。

私も以前友人が文部省(現文科省)の官僚としてフランスに留学していたので、海外旅行の途中現地で再会し、一度ルーブル美術館を訪れ鑑賞したことがあったが、残念ながら当時の記憶は曖昧である。

 

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