そして宿泊ホテルの玄関口まで軽トラで送ってくれた。しかもお礼と納め札を渡す私に、おっちゃんの畑で採れたという早生品種のみかんを7つもくれた。そうだった、ここはもう柑橘大国の愛媛県だった。「みかんは疲れが取れるきね!」と笑顔を向ける。
素敵な笑顔だ。〈麦わら帽子の弘法大師〉だ。なんて親切で優しくて、あたたかいのだろう。もちろん納め札をお渡ししたが、あんなペラペラの紙1枚でこの恩は返しようがないのだ。
四国は限りなく、涙が出るほど人が優しい。私の身の回りにいる人たちにも是非この素晴らしい体験をしてほしいとホントに思った。麦わら帽子の弘法大師のお陰で、予定より早くホテルに着いたので、夕飯の買い出しにホテルを出ると、近くの宇和島駅の前は大アーケード街。それは立派なものがある。残念なのは、半分以上の店のシャッターが下りていることだ。最盛期はさぞや賑やかで活気があったことだろう。もったいないな……とホントに思った。
28日目 2024年10月16日(水)
●気温:28℃ ● 天気:曇りのち晴れ ●予定距離:30km ●参拝目標:43番 明石寺●宿泊予定:ビジネスホテルウェストリバーにし川
今日は朝から峠越え。ホントに山か峠しかないんだな、と今さらながらため息が出る。正直、吐きそうだ。お腹いっぱいだ。朝っぱらから気持ちが萎える。
整備された登山道とは違い、遍路道は時として、踏み入ることを躊躇するほど、草ボーボーで、間違いなく遭難したと思うような道がけっこうある。これまでに野生のイノシシや鹿、太いマムシと遭遇しているだけに、さすがの私も恐怖を感じる。
今日は昨日会った、《麦わら帽子の弘法大師様》が教えてくれていたので、勇気をもって踏み入ることができる。が、しか~しっっ! そこは遍路道、快適とはいかない。しかも登りが大の苦手なうえ大嫌いな私には過酷としか思えないし、苦痛以外の何ものでもない。午前中の早い時間に昇天する。
次回更新は7月19日(日)、18時の予定です。
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