草食動物も、常に危険に晒された緊張状態にいるわけでもなく、ライオンたちの空腹を満たされた状態となれば自分たちを襲うことはない、と、確実なリスク管理がなされていることに、なんと合理的な生き物なのだろう、と感心したのだった。

(片や満腹しているにもかかわらず、別腹などと言って甘いものをむさぼってしまう自分との違いに愕然としたわけだ)

したがって合理的な野生動物の生態から察せられるのだが、ライオンは常に飢えて獲物を狙う迫力のある姿をしているわけでもないし、シマウマは常に逃げまどっているわけでもないのである。イメージ通りの撮影のためにはシャッターチャンスは限られてくる。

ケニア

余談となるが、ここでプロのカメラマンの言葉を思い出した。「素人の方がいい写真を撮れることも、多々あるんだよね、条件違うから」素人の作品の方が勝る場合があるその理由は、同じ条件で撮影しているわけではないから、と言うのだ。

プロとは違い時間の制限がない素人は、自分の思い描く状況(百獣の王ライオンがシマウマを襲う瞬間)が出現してくるまでいつまでも待つことが可能であるため、素晴らしい作品を撮れるチャンスがあるということだろう。素晴らしい写真は残念ながら技術ではなく、持っている時間の差ともいえる。どれだけ待てるか、なのだとも言える。

プロの場合、クライアントから撮影の依頼を受け、作品を提出するまでの期限がある。そこでまずは及第点を目指し撮影する。自身が及第作品を得た時点で、その後期限までの時間を使い更なる高みを目指した撮影を行うのだ。すでにクライアントに提供できる作品が得られれば、精神的にも楽になり、さらに完成度を高めやすくなるのだ。

なるほど、と思った。この点は、ビジネスでも使えるテクニックだろうと感じた。複数タスクの同時進行の際、期限同様気を付けなければいけないのが、複数タスクのバランスである。

全ての仕事を期限通りに終了させるためには、自分が及第点と感じた時点で、いったん自分の手から離し、別のタスクを行うのが安全だろう。取り敢えず、全てで及第点が取れた時点で完了とすれば、残った時間を使い、さらに質を上げようと試みる余裕も生まれる。なるほど、写真の技術を学び始めてみるとビジネスで使える多くのことを学ぶことができたのだった。

 

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