【前回記事を読む】入ると糞の臭い。鶏たちは声をあげて暴れ出し…製薬会社に入社し、薬開発のため1カ月間の臨床試験をする場所は──

定年後の挑戦、試行錯誤、そして〝生抜力®〟へ

2 定年後人生設計
準備その壱(20歳代、30歳代、40歳代、50歳、51歳)

・動物写真撮影

自然・生物への興味は、子どものころは500匹以上の魚を部屋の水槽で飼うくらい取りつかれるほど夢中になっていたのだが、社会人になると動物写真撮影というかたちで触れ合う機会を作り出していた。

野生のライオンやチーターの写真を撮るためにケニアへ、スキューバダイビングのライセンスを取って流氷を背景にしてクリオネの写真を撮るために知床に、ペンギン・シロクマの写真撮りたさに南極と北極まででかけていってしまうほどの夢中加減であった。

野生動物写真協会会員となり動物写真撮影スタート

そもそも写真撮影には興味はなかったものの、たまたま立ち寄った野生動物写真協会の写真展で、サバンナを駆け抜けるチーターや子連れのアフリカゾウの写真を見て、自分も野生動物をナマで見たくなり、野生動物写真協会の会員となった。そして数年間プロのカメラマンが講師を務める教室に通い、その後写真協会のケニア撮影旅行へ参加することになったのだった。

まずは国立公園の広さには圧倒された。

国立公園内では撮影者の安全のため、車の中からの撮影であった。

動物の宝庫と言われているケニアだから、さぞかし野生動物のオンパレードで、富士サファリパークなどの比ではないと考えていたのだが、実際はどこを見渡しても動物の姿はなく、軽くショックを受けたものの、訪れた観光客に満足のいくアニマル・ウォッチングをしてもらうために、現地では時間帯による動物の移動を考慮可能な動物生態に熟知した現地ガイドも同行し、希少価値の高い動物を発見しては、撮影客の車に連絡を入れて撮影場所へ案内するという、素晴らしい人海戦術でサポートしていただけた。

おかげでデジカメが普及していなかった当時、持ち込んだ36枚撮りのフィルム約250本程度を使い切るほど、撮影に没頭できたのだった。

とはいえ、ずっとファインダー越しでケニアの野生動物を見ていたわけではない。そもそも野生動物が見たくて野生動物写真協会に入会したのだから、サバンナで繰り広げられる動物生態観察に夢中になった。

肉食動物が草食動物を襲う、という定義から考えると、ライオンとシマウマが平和に仲良く並んでいる姿はありえないはずであるが、よく見かけた。

それは満腹時のライオンは、無駄にシマウマを襲わないからなのである。