【前回の記事を読む】一番近いコンビニまで5km、トイレを我慢しながら先を急いだ。涙が出るのも堪えて、やっと着いたコンビニで見たものは…
第二章 土佐─修行の道場 長い長い道とお接待
21日目 2024年10月9日(水)
●気温:28℃ ●天気:快晴 ●予定距離:28km ●参拝目標:なし ●宿泊予定:民宿旅路
観光なら最高な快晴だが、歩き遍路には苦痛な日。ホテルでまこちゃんと朝食を取り、7時15分に出発。高温で体力を奪われるので、28km を歩くには休憩を含め7~8時間は必要だ。朝は7km くらいノンストップで歩けるだろう。
有名な日本最後の清流・四万十川にかかる四万十大橋を渡る。朝の四万十川は雄大で美しく、長い橋の所々に海の方向を見るベンチが設置されていた。あまりに美しくて夢中になって渡ってしまい、橋の手前にあったローソンでトイレを借りるのを忘れてしまった。
川に気を取られてトイレを逃してしまい、どこかにトイレ付きの遍路小屋がないかと探しながら歩く。お腹の雲行きが悪くなり、青ざめてあぶら汗が出てきた。どこかの家のインターホンを鳴らそうかと考えていた時、小学校を発見。開けっ放しの校門が天国の門のように見えた。
菅笠を被り大きなリュックを担いだ歩き遍路以外の何者にも見えない、場違い甚だしい私が、校長らしき先生に「トイレをお借りしたい」と頼むと、親切に貸してくれた。四国の人は歩き遍路に本当に優しい。
「本当に命拾いしました! ありがとうございます!」と納め札を渡すと「明日の朝礼でお話しさせていただいてもよろしいですか?」と尋ねられ、「お役に立てるのであれば」と答えた。
そこから22km の道のりをひたすら歩き、途中、遍路小屋で休憩すると、まこちゃんと海坊主で知り合ったとぅーるちゃんがいた。会っては離れ、離れては会う遍路道。1人で歩いていても仲間がいると思える癒しのひとときだ。
道が再び海に出た時は午後2時を過ぎていた。足はパンパンに張って疲れ、休憩回数も増える。快晴の四国の海は素晴らしく、今夜の宿まであと3km の大岐の浜はサーフィンのメッカでサーファーがたくさんいた。神奈川の湘南で生まれた私だが、同じ太平洋でも土佐の海の方が数段美しい。
海を眺めているとあっという間に時間が過ぎる。民宿のチェックインに遅れると洗濯も遅れてしまうので、重い足を引きずりながら民宿旅路に到着。こちらのご夫妻はとても優しく、田舎のおばあちゃん家のような民宿で、ご飯も実家で食べる感じで、胃にも優しくほっこりした。明日はいよいよ38番札所に到達する。