おっさんのロックンロール
当たり前の日々
当たり前の日々の繰り返しに退屈し、何か刺激的なことが起こらないかと期待している自分がいた。
そんな罰当たりな思いが神様に届いたのか、ある日を境に世の中の空気が一変した。
当たり前に行っていた所に行けなくなり、当たり前に売っていたものが買えなくなり、当たり前に食べていたものが食べられなくなった。
一体誰が、こんな事態を予測していただろう。
令和2年の新年を迎え、社会は新しい時代に希望を膨らませていた。
五輪、万博、リニアモーターカー、IR。
子供の頃体験した高度経済成長の再来かと思っていた。
ところが、中国で端を発した新型コロナウイルスの影響で、当たり前の日々が瓦解した。
「おはよう! こんちわ! また明日!」
こんな当たり前の子供たちの挨拶が街から消え去った。
恐怖でおののいている人々が、家に籠(こも)って息を潜めている。人々の心が疑心暗鬼に満ち、デマや誹謗中傷が巷に溢れる。
私たちが築いてきた現代文明が、なんて脆弱なものかを思い知らされた。
人間は愚かで、失くしてみないと気付けない。
当たり前に日が昇り、当たり前に新聞が届き、当たり前に子供たちが学校に行き、当たり前に人々が働き、当たり前に家族団欒の夕飯を迎えることが、どんなに多くの奇跡と人々の努力の上に成り立っているか。
図らずも、新型コロナウイルスが教えてくれることになった。