「朝から行くとそうみたいだけど、夕方から入ると意外に空いているって、バイト先の先輩から聞いたんだ。おすすめのコースも教えてもらったしさ。だから、お願い、行ってみようよ」

利佳は懇願するように言った。それに対して、悦子はすぐに返事を返さない。いつもそうなのだ。二人で遊びに行くとなっても、行き先を決めるのは、決まって利佳の方だった。

悦子はと言うと、混んでいるのではないかとか、自分がそこに行くには場違いではないかとか、何かと心配してばかりいて、話がなかなか進まない。でも、結局、利佳に押し切られるように、最後は利佳の提案をしぶしぶ受け入れるのだ。

このときもそうだった。利佳があまりにも、悦子と一緒に万博に行きたいと言うので、でも本当は、一緒に行くはずだった彼氏がいなくなったからなのだが、悦子は首を縦に振らざるを得なかった。

「やったぁ、悦子、ありがとう」

利佳は、調子よく言った。

「利佳は、いつもそうなんだから……」

そう言う悦子も、心の中では万博のことが少し気にはなっていた。だけど、テレビから流れる映像を見ていたら、自然に足がすくんでしまった。

「それじゃ、東ゲートに三時に集合ね」

利佳はそう言い残して、電話を切った。

 

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