性善説
孟子の性善説は、次の想定事例で裏打ちされている。「よちよち歩きの幼児が井戸に落ちようとしたとき、誰もがじっとしておられずに助けようと駆け出す」に違いないと断じている。
この行為は、他人の苦痛や不幸を見るに忍びないという憐れみの心(孟子は「惻隠(そくいん)の心」と呼んでいる)によるとしている。この「惻隠の心」がないものは人間ではないと孟子は断じ、人間には生まれながらに善の性質が備わっているとしている。
そして、この「惻隠の心」を「仁」の端緒(たんしょ)としている。この「仁」は孔子が掲げた徳のうち最も重視したものであり、「思いやり、慈しみ」という意味を持つ。つまり、この性善説においても、孟子は孔子の教えの継承と発展を目指していた。
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