敗戦のショックで放心状態の小式部内侍に、容赦なく柊部屋の女将は罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせた。
それに対して、小式部内侍の横に居たマネージャーのような男が、逆ギレして柊部屋の女将を突き飛ばす。倒されながらも罵倒を続ける柊部屋の女将。
西洋人にしか見えない女力士が男に近づく。男が彼女に振り向くと同時に、彼女のハイキックが男の右側頭部に食い込む。男は、にやけた表情のまま、前のめりに倒れた。
小式部内侍が間に入ろうとしたが、和泉式部に下顎を摑まれる。
「特別扱いは、もう終わりだ。女将さんに暴力振るって、タダじゃ済まないのは判ってるな。そいつ連れて、さっさと出て行きな」と言われ、小式部内侍は気絶した男を引きずって部屋から出て行った。
小式部内侍は柊部屋を破門処分になり、翌朝に、女相撲協会へその旨を報告したということであった。
「千秋楽に向けて気持ち上げていただろうけど、済まないことになったな」と和泉式部は言った。
右近は「わざわざ、教えて頂き、有難う御座います。今日、取組む人は以前に話されていた方ですよね」と答えた。
和泉式部は「そうそう。相撲の動きはまだまだだけど、身体能力は高い奴だから」と言って支度部屋を出ようとした時、右近が尋ねた。「紫式部関は、どうされていますか? 小式部内侍関に勝って、部屋で気まずくなってるんじゃないですか」
「あの人、昨日は帰らなかったよ。優勝した後みたいに、タニマチ連れて朝まで飲み歩いてたんじゃないかなあ。私、思うんだけど、小式部内侍はかなり無理していたみたいだったから、あんたとやって潰れる前に、あの人が終わらせたんじゃないかな」と和泉式部が返した。
「いえ、あそこで勝てば美味しいと思って頑張ったんでしょう」と雷子が言った。
和泉式部は笑いながら、支度部屋から出て行った。
【イチオシ記事】夫の不倫現場に遭遇し、別れを切り出した夜…。「やめて!」 夫は人が変わったように無理やりキスをし、パジャマを脱がしてきて…
【注目記事】「いじわる…しないで下さい」…背中のフックを外され、左右とも指でなぞられた。口に含まれ舌で転がされると声が出てしまい…
ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp