次の日は、彼女のボーイフレンドと一緒に映画を見に行った。カップルともなれば人前にもかかわらず臆面も遠慮もなくキスやハグを連発するのは、アメリカ人には当たり前のことは十分承知していたが、日頃こういう仕草に慣れないものには、目のやり場、身の置き場に困ってしまう。

7年近くの文通で優しい言葉をくれていた人が目の前で遠慮なく濃厚なキスをするのを見せつけられるとまるで嫌味でそうしているのかと錯覚までしてしまう。

そうこうしている内に一週間は瞬く間に過ぎ、またまたお別れの時が来た。

一週間前にミシシッピーから着いたアシュタビラまで送ってもらい、お礼とお別れのハグとキスを最後に彼女は帰路に就いた。

長年文通をした相手であり、次の機会はなかろうかと思われるので名残は尽きなかったが、恋人の存在をしっかりと見せ付けられ、また文通とは違った現実の彼女本人に会ったのを最後に結局彼女との文通はその後のお礼ほどで終わった。