【前回の記事を読む】ふざけていた学生達を指差して「今ここで退場しろ」…面接前に社長を怒らせてしまった志望者たち。「勘違いしてねーか?」と…
第3章 迷い、挑戦
大輔はこれまでの経緯をすべて話した。
20年前からきた手紙の内容。職場仲間の死。同年代のスポーツ選手の死。人に話すのは初めてだったせいか、先ほどまで緊張していたことが嘘のように変わり、徐々に話がヒートアップした。
「……20年前の自分が今の自分を見たらどう思うだろう? 多分、落ち込むと思うんです。
だって、今の自分はただのモブキャラ。役でいえば○○Cとかで名前が与えられない。そんな人生を歩んでいる自分を見たらそう思うでしょう。
だから変えたい。自分もいつまで生きているか分からない。川場さんや青田みたいに突然死がやってくるかもしれない。そうなった時、何も残せず、何も残らずに終わる。そんなのは絶対に嫌だと思ったんです。
もちろん、会社員としてある程度出世して、誰かと結婚して子供ができて一緒に暮らす。そういう幸せもアリかなとは思います。でも自分の性格上、それは普通過ぎてつまらない。この心のモヤモヤは一生消えない。
だから、ここに来ました! 20年前の質問に胸を張って答えられるようになりたいんです!」
最後のほうは少し声を荒げていた。言い終わった後は少し呼吸が乱れていた。亀井と由香は、その様子を黙って見てた。