【前回記事を読む】守りに入った企業の常套手段。既存の運営ルールを変えず、自分たちの考えに合う合理的な回答を求める。そして大量の……

まとめ 第1章 大企業の事業創造における神髄ポイント

事業創造は大企業の泣きどころ

「大企業は大きな既存事業の運営に合うように、スタートアップはゼロからの事業創造に合うように作られている。大企業はスタートアップの領域では輝けない」

大企業の多くが事業創造となると、スタートアップの領域に入ろうとします。これが失敗の元です。一言で事業創造といっても、さまざまな領域があり、そこには大企業だけが目指し得る領域が存在します。そこを目指し、そこで堂々と陣取るべきなのです。そして、そこにたどり着くには大企業に合った事業創造の参考書が必要になります。

2章 大企業×コンサル=最悪

事業創造に自信がない大企業が頼るアドバイザーが、戦略コンサルタントです。しかし、私の考えでは、新たな事業創造領域において、大企業と戦略コンサルタントは最悪の相性。大企業が悪い方向に行くことを修正するどころか、むしろ率先してプロジェクトの挫折点に連れて行ってしまうのです。本章では、その事象及び理由を説明していきます。

戦略コンサルタントは事業創造の専門家ではない

戦略コンサルタントとは、企業の経営戦略の策定を支援する職業人を指します。クライアントに代わって、またはクライアントと一緒に、成長戦略を含んだ中期経営計画、事業計画などを策定することが主な業務です。

通常の事業会社において、中期経営計画策定は3年に一度、事業計画の策定でもおおむね1年に一度くらいの頻度で行われる業務です。また、大企業の戦略策定は、非常に限られたメンバーで行われることから、ジョブローテーションが主流の大企業社員が、自社の中期経営計画や事業計画策定に連続的に関与する可能性は極めて低いと言えます。

一方、戦略コンサルタントはそれが仕事であるため、その策定業務を何度も繰り返します。

それがゆえに、その領域において高い専門性を発揮することができ、多くの大企業がその時期になると、戦略コンサルタントを起用する構造が出来上がっています。

そして、戦略コンサルタントが策定する各成長戦略において、昨今は必ず新たな事業創造が一トピックとして加わるようになってきました。当然、戦略コンサルタント側は、新たな事業創造においても支援することを提案します。

クライアントとしても、その提案をすんなり受け入れるケースが多いです。新たな事業創造において、求められる最初の作業が市場調査であったり、最終成果物がビジネスモデルや収支計画を含めた事業計画書だと考えられていること、さらには、自社のことをよく知っている戦略コンサルタントなら実現性やシナジーについてもよく考えてくれるという期待もあってのことでしょう。