はじめに
1990年。ブルーハーツの『情熱の薔薇』やサザンオールスターズの『真夏の果実』がよく街に流れていた。
タイトルにある1990年は日本ではバブルの最後の年である。
世界の中でも日本の存在は大きく日本人みんなが勘違いしていた時代。パナソニックはユニバーサルスタジオを買収しソニーはコロンビアピクチャーズを買収し三菱地所はニューヨークのロックフェラーセンターを買っていた。
調子に乗った日本人がアメリカの誇りである映画産業や象徴であるビルを下品に買いあさっていた時代である。やったことはやられるのだ。
勢いはあったがみんな勘違いして浮かれていた。この翌年からゆっくり坂道を転がるように日本は衰退していくことになるなんて誰も想像だにしていなかった。
この頃の私の記憶にはっきり残っていることは日本人が日本人であることに胸を張っていた時代だったことだ。
先日ある人と飲んでいて、
「1989年といえば天安門事件とベルリンの壁が崩壊した年だ。世界が激動して共産主義や社会主義が音を立てて崩れだした時だ。その翌年の1990年からソ連が崩壊した 1991年12月の間に君がソ連に何度も訪れそこで経験したことはいわば時代の貴重な資料だと思う。ソビエト社会主義共和国連邦なんて今の若い人は誰も知らない。そもそも社会主義や共産主義自体を知らない。